ホワイトニング剤の主成分をご存知ですか?
ホームホワイトニングは過酸化尿素、オフィスホワイトニングは過酸化水素が用いられており、それ以外には、増粘剤、保湿剤、固結防止剤などが少量ずつ含まれています。
ホワイトニング製品や歯科医療分野において、広く使用される成分である、過酸化尿素と過酸化水素。
今回は、この二つの特徴や違いについて調べてみました。
目次
1. 過酸化尿素と過酸化水素の違い
2. 注意点は?
3. フリーラジカル
1. 過酸化尿素と過酸化水素の違い
ホワイトニング剤としての特徴は、過酸化尿素は反応が遅いけれど効果が長持ちし、過酸化水素は早く結果を得られるが効果が持続しにくい、と考えられています。
過酸化尿素は、尿素と過酸化水素が結合した固形の化合物で、主にホームホワイトニングに用いられます。
固形であるため液体の過酸化水素よりも扱いやすく、分解により過酸化水素が生成されます。
濃度は約10〜20%で、ゆっくりと過酸化水素を放出するため、穏やかな漂白効果と自然な白さを長く保てるのが特徴です。
一方、過酸化水素は主にオフィスホワイトニング剤に含まれており、濃度は約35%。
過酸化水素から発生するヒドロキシラジカルが歯の着色成分を分解し、歯を白くします。
消毒液(オキシドール)では約3%濃度であることを考えると、ホワイトニング剤は非常に強力な漂白作用を持ちます。
高濃度のため即効性がありますが、刺激を感じることもあり、持続時間は短めです。
2. 注意点は?
高濃度の過酸化水素は、皮膚に触れると痛みや白変を起こすほど反応性が高い物質ですが、ホワイトニング剤は安全な濃度に調整されています。
それでも人によっては「しみる」「違和感がある」と感じる場合があります。
また、50cc以上を誤って飲み込むと下痢などを起こす可能性がありますが、施術に使う量はごく少量なので心配は不要です。
日本では過酸化水素を含むオーラルケア商品は医薬品扱いのため、薬局などでは販売されていません。
したがって、一般的にセルフで購入して使用することはできません。
3. フリーラジカル
過酸化水素が含まれたホワイトニング剤で歯が白くなるのは、「フリーラジカル」が発生するためです。
フリーラジカルとは、過酸化水素が酸素と水に分解される過程で生じる活性酸素の一種です。
光照射・熱・pH調整などにより反応が進み、エナメル質の着色原因となる有機質を分解します。
この結果、有機質が無色化され、歯の透明感が高まり白く見えるようになります。
「歯の表面を削る」「白い薬を塗る」といった誤解もありますが、実際のホワイトニングは非常に科学的なプロセスです。

